第32回「JASHの日」開催報告及び御礼
3月16日(金)午後1時半から宮代ホールで、聖心会シスタース10名、各同窓会から約170名が参加されて「JASHの日」総会が開かれました。
今回は前月に行われたAMASC世界大会の報告と事前に与えられていたテーマ「ソフィの遺産、世界への贈り物」に対してのスタディグループの発表、若いグループによる研究発表などが行われました。最後に今期退任となる会長はじめ役員と新任役員の紹介があり、新会長の挨拶の後閉会いたしました。
開会の祈り
シスター田中玲子
開会の辞
シスター新庄美重子
毎年、JASHの日として日本の同窓会が一堂に集まり、交流の場を持つことは大変意義深いことでございます。今日もこのようにおおぜいがお集まりになりとてもうれしいことです。ようこそおいで下さいました。
2月にはAMASCの総会があり、今日はそのお話を皆様とご一緒に伺えると楽しみにしております。日本の同窓会ばかりでなく、世界の聖心の同窓生とのつながりを感じ、強める機会になると期待いたしております。
聖心会では、聖心の家族のつながりを大切にしてまいりましたが、今、グローバルな世界において、聖心の家族-即ち、同窓生、在学生とその家族、教職員、協働者、聖心会員などが、いろいろなレベルで絆を強め、同時に、創立者の精神を共に生き、創立者が望まれたように神様の愛を多くの人に広めて行くためにご一緒に働きたいと念じております。
今年は、聖心会の二人目の聖人、聖フィリピン・デュシェーンに思いを向けようとしています。この方は創立者聖マグダレナ・ソフィアと共に会の礎を築いた方の一人ですが、新大陸でのミッションを熱望していました。事あるごとにその望みを申し出て、ついに、1818年にアメリカに渡りました。創立が1800年でしたから会の創立と発展のためにフランスで必要な人物でありましたが、聖マグダレナ・ソフィアはこの方を送り出したわけです。そのおかげで、聖心会がヨーロッパだけでなく世界の各地にひろがっていきました。この画期的な時から、ちょうど200年ですので、世界中の聖心ではたくさんのことが企画されています。日本でもお祝いを企画しておりますが、そのことは、後で紹介があるかと思います。
昨年の11月のフィリピンの祝日に、総長のシスター・バーバラ・ドーソンは聖心の家族に対して、手紙を書き、この記念の年に二つのことを呼びかけました。ひとつはこの年を祈りの年とすること、もう一つは、JPIC(正義、平和、創造界の保全)への関わりを強める年としました。この手紙はJASHのウェブサイトにも日本語訳が載っていますので、お読みくださった方も多いことと思います。
一部を引用いたします。祈りの年について…
フィリピンと共に、そしてフィリピンについて祈る時、私の頭にはいつも一つの言葉が浮かびます。それは「persistent 」(不屈の、忍耐強い、粘り強い)と言う言葉です。 フィリピンは祈りにおいても行動においても、その通りの女性でした。アメリカ先住民ポタワトミの人々がフィリピンに捧げた「いつも祈っている女性」という名前をよく耳にしますが…最近では、(彼女の)夜を徹して…祈り続ける姿だけでなく、日々の生活の中の「試練、失敗、小さな戦い、神の民への熱烈な愛」のさなかで祈り続けるフィリピンの…顔を思い浮かべるようになりました…聖心家族の中でのこの祈りの一年が、個々のメンバーにとって、また共同体として、静けさの中でも活動の場においても神との関係を強める機会となりますように、そして、私たちの使命に対する情熱を掻き立て、燃え立たせる聖霊の働きに資することができますようにと願っています。
聖心会の霊性と使命の二つの側面である祈りと正義が、共に(11月18日に)、私たちに一歩先へ、より深く踏み出すようにと呼び掛けるのは、フィリピンらしい計らいと言わなければなりません。…フィリピンは幼少の時からグルノーブルの路上で、貧しい人々の声を耳にしていました。…そして、フィリピンは貧しい人の中にキリストを見ていたのです。
総長のこの呼びかけに応え、この一年を世界中の聖心の家族と心を合わせて過ごしたいものと思います。
今日のこの集まりがお互いの絆を広め、深め、「ひとつの体」である聖心の家族のあたたかさを体験するとき、また、新しい出会いによってお互いに勇気をいただく時となりますように、聖マグダレナ・ソフィアと聖フィリピン・デュシェーンのお取次ぎを願いながら、第32 回JASHの日を開会いたします。
JASH会長挨拶
JASH会長 中山洋子
皆様 ようやく春が訪れました本年の3月16日、「第32回JASHの日」にご参加いただき、有難うございます。2014年4月からの4年間JASH会長を努めてまいりました中山でございます。
常夏のメキシコ・メリダより帰国して2週間余り、今日は、メリダ大会を目指して活動してまいりましたJASHスタディ各グループのプレゼンテーション、メリダ大会全行程の報告などをご覧頂けるように準備しております。
3月31日に任期終了を控え、この4年間を振り返りますと、JASHを取り巻く環境に、時の流れを感じる幾つかの変化が起き、時代の移り変わりを感じてまいりました。
JASHには、ご承知のように、半世紀前の発祥の原点でした海外のAMASC(世界聖心同窓会)への窓口、戸口となることと、現在では8つあります国内同窓会の融和を図る統合組織としての役割と、二つの側面があります。
思いがけず2014年・2018年と在任中に二度の大会参加の機会を得たAMASC の現状について2014年にアフリカからの新規加盟などの新しい動きのある中で、既存加盟国の会員減少による弱体化が懸念されました。この度の2018年メリダ大会では、その懸念が現実となり、ヨーロッパ連合軍が会長国としての立候補の為に規約の一時的な変更を申し出、各国会長会議での審議の後、了承を得ました。その結果今年中に再度各国会長を召集、臨時会議を開催し、ヨーロッパ連合軍の会長国が実現することになります。
一方、国内のJASHでは、1986年の東京大会後に誕生いたしましたAMASC東京大会記念基金委員会が30年の活動に終止符を打ちこの度解散、その中の若いメンバー6名がJASH-AMASC委員会として、その志を引き継ぎつつ再出発をすることが決まりました。又、長い伝統を誇ります聖心女子専門学校の閉校の決定を受け、同窓会である三光会は、母体を失う中で存続を余儀なくされますが、JASHの一員として一緒に活動を続けてまいります。
JASHに取りましてうれしいニュースは、本年、聖心女子大学シスター岡崎学長様と大学当局のご厚意で、長年お世話になりました大学南門近くの日本家屋から、大学一号館3階に大きな部屋を事務室としていただき、すでに移設することができたことです。委員会とともに使用する事もでき、隔月の理事会開催も視野に入れております。長年の夢でした長期的視野に立った活動拠点をいただくことが出来ました事には心から感謝申し上げております。
AMASC はこの4年間、若い同窓生の取りこみに新しい試みを行ってまいりました。その試みにJASHも参加してまいりましたのは、JASHも又同じ課題を抱えているとの認識を持っていたからに他なりません。
その中でこの度、若い世代の代表と言われて久しい、同窓会経験の豊富な村上直子さん (み59・宮28)を新会長としてご紹介できますことを、嬉しく思います。
村上さんを中心とする若い役員会が、新しい感覚で、これからの同窓会のあり方を考えることができますよう、皆様のご助言、ご協力を心からお願い申し上げて、私からの退任のご挨拶とさせて頂きます。
この4年間、有難うございました。どうか今後もJASH をお支え下さいませ。
第16回AMASC世界大会報告
JASH副会長 原科節子 小澤志津子
「第16回AMASC世界大会(メリダ メキシコ)」をご覧ください。
スタディグループ報告
スタディグループ委員長 新井協子
メリダ大会に向けたスタディグループは、2015年10月以来この2年半、「ソフィの遺産、世界への贈り物」のテーマを三つのグループに分かれて掘り下げました。その後、関西支部がスタートし、創立者聖マグダレナ・ソフィアの志や足跡をたどる作業は、貴重なお恵みの時でした。2017年2月、AMASCから、聖心会の総会で生まれた四つの呼びかけについて話し合ってほしいと言う要請がありましたが、これは、それぞれのグループ活動をまとめる何よりの指針となりました。
呼びかけは、次の通りです。
・辺境の地に赴くこと
・より人間らしく生きること
・静けさを造りだすこと
・1つの体となり、1つの体として行動すること
「ソフィのお言葉」のカレンダーを作成した第1グループは、「静けさを造りだすこと」を選び、神の声を聞き、聖霊の働きに身を委ねるには、静けさと自己放棄がどんなに大切か、喧騒と膨大な情報に追われる今日、改めて心に留めました。創立者が激動期のフランスを駆け巡るお姿を追った第2グループは「辺境の地に赴くこと」を選び、文字通り国境を越えて辺境の地で、忘れられがちな人々を支えている卒業生のことを思い起こしました。さらに、聖フィリピン・デュシェーンの渡米200周年を祝う今年は、私達一人ひとりが自分の限界に身をおいて、前むきに変化を受け容れる年にすべきと考えます。第3グループは、聖心の教育を受けた卒業生が、どのように創立者の精神を受け継いでいるかを検証しましたが、卒業生が展開する様々な活動が、「より人間らしく生きること」を実践していると考えました。また、関西支部は、「一つの体として行動すること」を通して、同窓会として連帯していくこと、さらに多文化社会の今日、様々な人々と分かち合い、協働して、社会に役立つことを今後も実行したいと結びました。
これからもこの変化の多い、不確かな時代に、AMASCに属するすべての卒業生とともに、呼びかけに応えながら「ソフィの遺産」を継承して参りたいと思います。
次に、それぞれのグループの2年半の活動内容をご紹介いたします。
①スタディ第1グループ発表 三冨久美子「ソフィのお言葉」
‟The Wisdom of Madeleine Sophie Barat”(聖心会アメリカ・カナダ管区発行の日めくりカレンダー)を日本語訳した日めくりカレンダー「聖マグダレナ・ソフィアのお言葉」を作りました。
正確に、明確に、解かり易くをモットーに翻訳に努めました。度重ねての検討校正を繰り返し2017年10月末に構想が出来、翌2018年1月500部発行となりました。
②スタディ第3グループ発表 安部玲子 「聖心の教育と私たち〜そのスピリットの後継者たち〜」
数名の卒業生の活動を PPデータを使ってご紹介しました。その中のお一人、荘保共子さんの活動を記録したドキュメンタリー映画上映会と同時にご本人の講演会を企画するなかで、共に心を寄せて他を思いやり行動するという聖心スピリットを改めて確認するに至りました。
③スタディ関西支部発表 池内希久子
2000年に発足した小林スタディグループは、数年の休止の後2年前、6名で再開しました。「ソフィの遺産」をテーマに2回の講演会(講師、山内由賀さん、シスター長野興子)、11回の勉強会を重ねました。関西在住の多くの卒業生が集える場の提供も使命と考え、同じ聖心スピリットを学んだ私たちが、一つの木に寄り添い、AMASCテーマで心を一つにして、社会に役立つことを考え、発信できればと考えています。
④スタディ第2グループ発表 唐澤明子 「激動の時代を生きた聖女の軌跡」
パワーポイントを使って、マザーバラの旅の行程を地図上に再現し、生涯の軌跡を辿りました。フランス革命から続く社会の激動期ゆえの数々の困難にありながらも、聖女が聖心会を目覚ましく発展させることが出来たのは聖女の神へのゆるぎない信頼と行動力によるものだと理解しました。
AMASC東京大会記念基金委員会ヤングメンバー報告
AMASC東京大会記念基金委員会委員 清水久美子
私達ヤングメンバー6名は、AMASCメリダ世界大会に向けての勉強会を 昨年7月と9月に2回行いました。この勉強会に先立ちまして 私達は、2010年に刊行された日本聖心同窓会四十五年史『絆』の第二部 [JASHの活動を支えた人々] この部分を読み返しました。聖マグダレナ・ソフィアと私達を「繋ぐもの」、ここに光を当てての読み返しとなり、多くの事を学び直しました。参加したメンバーからは、「自分の価値観の源泉を辿った時、創立者聖マグダレナ・ソフィアのお言葉やその生き方に力を頂いた。」「自分の人生の中で出会った聖心の方々は、いつも温かく迎え入れてくださり、その姿とマグダレナ・ソフィアの姿が重なっている。」という感想がありました。
このような思いを私達が持つことができているのは、約100年前に来日されたシスター方のお志と情熱、そしてそれを受け継いで私達に多くの教えをしてくださった諸先輩方、そのおかげであるということです。
マグダレナ・ソフィアと私達が繋がっているという事の再認識は、感謝の思いとなっています。そして、私達ヤングメンバーは、この私達自身がこの繋ぎを次の世代へ結び付けていく大きなミッションを与えられているという事に気がつきました。世界聖心同窓会AMASCにおいても 常に若い世代が多くの方からのご指示やご教育を受け、それを次の世代に繋いでいくという循環の中で発展し、活動が引き継がれてきました。この原動力となっている[education教育]こそが聖心会の力であるのです。200年前にマグダレナ・ソフィアが開いた扉から多くの光が世界中に放たれました。その光が時代の流れの中で幾多の苦難を乗り越え、その中で順応し、変容し、私たちに今なお光があたり続けています。私達自身がマグダレナ・ソフィアの遺産なのではないかと思っています。
私達がこの勉強会を通し、私達の使命を確信いたしました、それは「ソフィの思いとAMASCのこの思いを次世代へ繋げていくこと」つまり、私達自身が次世代のリーダーとなるべきであるということです。educationとは学校の教育の場だけの事ではありません。同窓生が集い、語りそして思いを共有することでお互いが教え合う、 これもeducation であり、co-education としての形を持っています。私達は、この共有した思いを、決意を新たに今後の活動に生かしていこうと固く全員で心を決めております。
「聖ローズ・フィリピン・デュシェーン渡米200年祝い」準備委員会 報告
シスター奥井博子
本日は貴重な総会のお時間の一部をいただき、聖フィリピン・デュシェーン渡米200年記念のお祝いについて、ご説明させていただく機会を頂戴いたしまし事を感謝申し上げます。
聖心会の二人目の聖人、ローズ フィリピン・デュシェーンが1818年にフランスから新大陸に渡られて200年となります今年2018年は、全世界の聖心会において会員と聖心の家族全体でお祝いするための準備が行われております。
聖心会日本管区も聖心の家族である卒業生や学校関係の方々と一緒に準備を進めていきたいということで、昨年9月、管区長シスター新庄美重子より4名の準備委員が任命されました。 みこころ会の伊藤康子さん、宮代会の傍士朋子さん、シスター林千種と私、奥井博子です。
聖フィリピン・デュシェーンはその一生を通して、根気強い祈りと勇敢な行動に根ざして、神のみ旨を探していました。彼女がフランスから新大陸のフロンティアへ向かい、レベッカ号で船出し、幾多の困難を乗り越えて行かれたお蔭で、聖心会のミッションは大きくその世界が広がりました。 私たち準備委員はその精神を学びたく、このお祝い準備のモットーを「超えていこう 情熱と勇気」、といたしました。
多くの方がたに聖フィリピンの事をもっと知っていただけるように、機会あるごとにこの聖人を紹介したいと思っている次第でございます。 今年の11月18日には記念のミサ、講演会、茶話会などを通してお祝いをする予定で現在企画を進めております。
すでにJASH からは多大なご協力を得て、Webページにこのお祝い関連のスペースを頂き、アメリカ・カナダ管区が準備の一環として毎週月曜日に発表されるリフレクションを掲載していただいております。 そのうちのいくつかは有志の方々によって、日本語にも訳されて掲載され始めておりますので、機会がおありになったらどうぞご覧くださいませ。
また、2018年9月15日を「グロ一バルな奉仕の日」にしたいという呼びかけがありましたので、それぞれが社会福祉、奉仕活動に力を入れていることを今年の9月15日前後には特にフィリピンの意向を込めてするという提案をしたいと思います。
今日皆様のお手元にお配りした祈りは、この記念のお祝いにふさわしいお祈りだと思いますので、皆さまとご一緒に聖フィリピン・ドゥシェーンの生涯を思い起こし、そのお取次ぎを願いながら、ここでこのお祈りを唱和して、終わらせていただきたいと思います。
退任役員紹介・2018年度役員紹介
JASH新会長挨拶
JASH新会長 村上直子
この4月より、中山洋子会長の後任としてJASH会長をつとめさせていただくこととなりました村上でございます。
今日まで、中山会長はJASHの存在意義、JASHに対する理解を若い方々にもひろめ、活動を活性化させようと、さまざまな努力をされてこられました。
また、長年にわたりAMASCの日本に対する期待に誠実に応えてこられ、AMASC役員の方々と強い信頼関係を築いてこられました。
このようにご功績のおありの中山会長をはじめ、今まで多くの偉大な先輩方が務めてこられましたこの役を引き継がせていただくことは、大変な光栄であります。と同時に、その重責に対しまして、自分の力不足、JASHの活動歴の浅さなどを考えますと緊張で、身の引き締まる思いで一杯でございます。
しかしながら、聖心の生徒は一つの家族です、という創立者の教えのもと、ご指導いただいてきた聖心会と日本各地の同窓会、そして世界の同窓会とをつなぐJASHの活動をお支えするこの役をつとめますことで、自分を育ててくださった母校に対します恩返しが、少しはできるのではないかと考え、お引き受けすることといたしました。
微力ではございますが、中山会長をはじめ皆様にお力をお貸しいただき、頂戴するアドバイスに謙虚に耳を傾け、一緒に活動してくださる役員の方々と共に力をあわせ、若い方々にも更にJASHが身近な存在となりますよう、4年間、一生懸命務めさせていただきたいと存じます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
茶話会・ミニバザー
総会の後は今回新しい試みで宮代ホール前の広場でお茶会がにぎやかに催されると共に、周りではワンテーブルショップで各同窓会のグッズが販売されて多くの方が関心を持って買い求めて下さいました。
お陰様で「JASHの日」をもちまして2018年度のJASH活動は終了いたしました。
来年度からは村上直子新会長(み59・宮28)による新体制でスタートいたします。これからもJASHへのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。