Crossing Boundaries 日本語訳「境界線を越え-障壁を崩して」
Crossing Boundaries – Breaking Barriers
日本語訳「境界線を越え-障壁を崩して」
フィリピン・デュシェーンは私たちに、開拓者の心を提示します。人々の言葉の通り彼女は深い祈りの女性であり、その時代のセントチャールスやフロリッサンの世界で、自分の心の言葉で話す女性でした。彼女は言語、文化、気候や隔たりなどのあらゆる不確かなことに怯まず、それどころか地中に埋もれた小さな種のように、死と新たな誕生という緩やかな時の経過の中で豊かな収穫を得ました。
数世紀の間、フィリピンと同じようにたくさんの若い男女が遠い国での宣教のミッションに惹かれ、彼らの其々の地への貢献は計り知れません。ところが今日、幾つかの国で宣教者はあまり歓迎されていません。宣教者の仕事は異論を巻き起こすと考えられることが多く、彼らの存在そのものが父祖伝来の伝統や文化に対する脅威と感じられるのです。それだけでなく、今日インターネットがコミュニケーションの大きな手段となりました。その中で、境界の地はいったいどこに存在するのでしょうか。どのような人が今日の「開拓者の女性」と言えるでしょうか。
私たちの「開拓者の女性」フィリピンは、ひょっとして私たちに質問があるかもしれません。私たちは、内部の霊的或は物質的な絆を強める必要があるでしょうか。同時に、私たちは外の新しい命の源に目を向けて、新たな居場所と霊性を見出すべきなのでしょうか。また例えば、人間性への奉仕に対する異なった形の関わり方と霊的な献身に聖霊によって導かれている若い世代との関係の中で、私たちの立ち位置はどのようなものでしょうか。
聖フィリピンは今、聖霊の促されることに応えるようにと私たちに呼び掛けています。ここに私たちの希望があります。不確定要素の只中で、人間的に言えば失敗の危険すら冒しながら、これらの現実とどのように対するのが一番よいでしょうか。フィリピンは、私たちの進行を妨げる全てを手放して聖霊の大いなる力で日々を満たすために、勇気、不断の祈りと観想を、と私たちに手招きしているのです。
作・画:メアリー・ヴァギ一スRSCJ インド管区
訳:中山洋子