Woman With A Global Heart 日本語訳 グローバル・ハートの女性

2018-05-14

グローバル・ハートの女性

 

グローバル・ハートの女性

 

フィリピン・デュシェーンは、21世紀の世界に住む私たちにとって特にふさわしい模範ではないかと私は思っています。なぜなら彼女は世界を網羅する心、グローバル・ハートの持ち主だからです。

グローバルな心は、興味と思いやりの対象を「私」から「私たち」、そして「私たち皆」へと移していきます。この事は、周りに対する自覚と配慮が生まれて、どんどん広がる円へと成長していく過程を表し、「私の隣人」を中心とする円には、「私」にとって真に共感できる仲間がとどまることなく増えていきます。グローバルな心は、全てを取り込む大きなテントに覆われ、小穴だらけの境界線に囲まれているのです!

フィリピン・デュシェーンはいつも自分の心の境界線を広げていました。幼いころはグルノーブルの貧しい人たちを助けたいと願い、思春期のころと若い修道女となった後は、海の彼方に住む先住民と働くことを夢見ました。そして年老いてからは、ロッキー山脈を越え、更に向こうの中国へ行くことさえ切望したのです。フィリピンが勇気をもって超えたのは、地理と政治の境界線だけでなく、社会階層、言語、文化や慣習の境界線でもありました。フィリピンにとっての共感の円は、世界中を取り込むほど大きな円でした。フィリピン自身が最も近しく最も親密に感じることのできた神の愛を、遠く隔絶された地に住む人々にもたらす事が彼女の深い願いだったのです。フィリピンはグローバルな心を持っていました。

さて、私たちはどうでしょうか。私たちにとってのテントはどれ程広いでしょうか。共感の円はどれほど大きいでしょうか。心を包み込む境界線に小穴はたくさん開いているでしょうか。誰のために心は痛みますか。その答えがもしあまりにも偏狭であったら、フィリピンの心がどのようにしてグローバルになったかを考えてみましょう。フィリピンは心を開いたのです。たくさんの時間を費やし、キリストを通して神の愛で自分を満たし、形作り、そして最後には変容させたのです。こうしてフィリピンの心は、少しずつキリストの聖心を浮かび上がらせ明らかにするものとなったのです。キリストの聖心となって、フィリピンの心は地球を網羅したのでした。

作:モーリーン・グラヴィン、RSCJ      アメリカ・カナダ管区
訳:中山洋子

 

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