Thinking of Philippine in Fukushima日本語訳「フィリピン・デュシェーン」

2018-01-15

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フィリピン・デュシェーン

彼女は神からの強い呼びかけに動かされ、北米の先住民ポタワトミ族に神の愛を伝えるため、まったく何も知らない土地へ、飛行機ではなく船で、10時間とか12時間ではなく2ヶ月かけて旅にでました。インターネットもなく、スマホもなく、スカイプもない時代に。アメリカにいる時、聖マグダレナソフィアからの手紙も、必要なものが届くまでも長いこと待たなければなりませんでした。彼女は外国語の才能にも恵まれていませんでした。ただ、信仰、勇気、忍耐が彼女に託された使命を成し遂げさせたのです。

今日、信じられないほどの速さで進むコミュニケーションの技術と交通機関のおかげで、望みさえすれば、わたしたちはどこへでも、遠くに住む人々のところへ簡単に行かれるようになりました。けれども、世の中にはその恩恵に浴していない人たちもいます。その人たちを探すのに飛行機で遠くまで飛ぶ必要もありません。

日本の福島では2011年3月の地震、津波、原発事故と三重の被害にあわれた数え切れないほどの方が6年以上経ったいまでも厳しい状況の中で生活することを強いられているのです。これから先の生活がどうなるかもわからず、いつ自分のふるさとに帰れるかもわからず、いつ安全な場所での仕事が見つかるかもわからず、、、、。

このような酷い経験をしたことのない私たちにその方たちの苦しみは充分に理解することは到底出来ません。その方たちへのわたしたちの思いを表現することばも簡単には見つかりません。せめて、その方たちと共に歩むこと、ともにいること、共に泣き、共に笑うことは出来ます。そうすることで神様がいつもわたしたちと共にいてくださることを伝えることが出来るのではないでしょうか。

作者/画像/訳:穎川政子RSCJ   日本管区

 

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