温情の灯会懇話会

2019-08-08
ドゥシェーン会

7月7日、恒例の温情の灯会懇話会が開催されました。
2020年は温情舎ができてから100年。不二聖心女子学院では創起百年として位置づけています。

温情の灯会は、不二聖心女子学院の前身である、温情舎と聖心温情舎、不二聖心女子学院小学校の同窓会です。
温情舎は、実業家岩下清周が不二農園で働く人々の子弟と、近隣に住む子どもたちのために大正9年に創立し、長男である壮一神父様を初代の校長にしました。当時としては先進的で自由な教育が行われ、東京から著名な先生をお呼びすることもありました。夜は地域の青年達の修練の場としても提供され、地元の発展と近代化に寄与しました。
不二聖心が誇る富士の麓の自然豊かで広大な土地は、岩下家から清周の娘であるSr.岩下亀代子(日本人で初めての聖心会の修道女)を通じて聖心会に寄贈されました。
今、当時の校舎は残されていませんが、裏門を入ってすぐ左の黄瀬川を臨む昔の小学校の跡地に記念碑「温情の灯」が立っています。この記念碑は、温情舎小学校卒業生有志とドゥシェーン会によって十年間かけて寄付を集め、平成4年5月に建てられたものです。

『温情の灯の碑の裏面の文章』
大正9年岩下清周氏によりこの地に温情舎小学校が創立されました。
信仰心ある善き女性の育成を願って播かれた種は昭和27年聖心女子学院に受け継がれ育まれてきました。
昭和32年不二聖心女子学院の校舎が山上の茶畑に移転され今日に至りました。
草創の昔を偲びここに碑を建て聖心の灯火が永遠に輝くことを祈ります。
「われらが学び舎温情舎」創立80周年記念誌より

 

以来、温情の灯会は、毎年秋のつどいのワンテーブルショップに出店してくださり、懐かしい方々とお会いになったり、今の生徒の発表や展示を見たり母校の発展を見守っていらっしゃいます。

さて、懇話会は、平和の祈りに始まり、温情舎校歌と聖心温情舎校歌を斉唱しました。不二聖心女子学院校長Sr.大原のご挨拶、教頭蒔苗先生のご挨拶、ドゥシェーン会会長挨拶、そして活動報告と会計報告がありました。
和やかなお食事の後は、おしゃべりタイムでした。ロシアの軍艦が沈没し、新たに戸田で帰国するための船「ヘダ号」を作った船大工の子孫が温情の灯会メンバーであり三島の楽寿園がご実家だった、と言う話、岩下神父様の渡欧前に農園を見回った話、等。また、お一人の男性が「僕が入学したときは聖心温情舎小学校だったのに、卒業するときは不二聖心女子学院になっていて、履歴書を書くときに悩んだ。」とおっしゃって笑いに包まれました。岩下清周氏の本宅はどこにあったのか?と言う話では黒板に地図を描いて、懐かしい話がたくさん出てきましたが、結局本宅の場所は確定できませんでした。
最後に、大型絵本「かわいそうなぞう」の朗読があり、温情の灯会祈りを唱え、来年の再会を期してお別れしました。